第165話

【ケイレブ視点】

最終目的地までの道中、リリーはずっとオフィーリアのことで持ちきりだった。彼女の興奮は伝染し、俺は彼女の言葉そのものよりも、その熱意に心を奪われて頷いていた。生き生きと話す彼女は輝いていて、この夜を乗り切るにはそのエネルギーが必要だった。

俺には計画があった。彼女を「今」という瞬間に引き戻し、無理強いすることなくリラックスさせることだ。もし彼女の緊張を解き、俺に触れるように仕向けられたら、今夜は成功と言えるだろう。最高のディナーを選ぶのは難題だった。もう夜の十時近くで、俺は腹ペコだったし、彼女も同じはずだ。

普通のレストランでは意味がない。プライバシーが必要だった。ピクニッ...

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