第184話

ヴァイオレット視点

私はリアムに、大学新聞が発行されたら一時間以内に一部手に入れるよう言いつけておいた。彼のことだから、きっと他の誰かに行かせたに違いない。私のための用事であっても、雑用なんて自分のプライドが許さないのだ。不思議なことに、彼が他人に指図して権限を振るう姿は、とても魅力的だった。それもまた、彼がもうすぐ極めて優秀なベータになるであろう多くの理由の一つだ。たとえそれが、リリーの背中を押して――あるいは突き飛ばしてでも――彼女をしっかりさせることを意味していたとしても。

リアムにはこれが必要だった。切実に。私たちはまだ番(つがい)になることができないから、来年まで彼が正気を保つた...

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