第186話

リアム視点

七ヶ月後

くそっ、外は冷えるな。俺はきちんとしたコートを着てこなかったことを後悔しながら、内心で自分の狼に愚痴をこぼした。シフターだって人間形態なら寒さは感じるんだ。もっとも、そんなことは大した問題じゃない――どうせすぐに走り出すことになる。今はただ、耐え抜くしかなかった。

『あと少しの辛抱だ』

ハンターがなだめるように言ってきたが、その声には期待の色が滲んでいた。

満月まであと二晩。先月は散々だった。初めて自分の狼を無理やり抑え込むのは悪夢のような体験で、それが今後さらに酷くなることは目に見えていた。攻撃的な衝動が皮膚のすぐ下でふつふつと沸き立ち、今にも爆発しそうだ。幸い...

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