第203話

ローガン視点

長期的な関係を望んでいないわけじゃなかった。心の底では、運命の伴侶(メイト)がどこかにいると信じていた――月の女神に選ばれ、俺を完璧に補い、ブラッドムーンが望む最高のルナとなる女性が。だが実際には、彼女を見つける覚悟も、身を固める覚悟もできていなかったのだ。

周囲の誰も、俺のこの躊躇いを理解していないようだった。

「ローガン、どうしてメイトを避けようとするのか理解できないわ」母さんはよくそう言って俺を叱った。「無条件に愛してくれて、リーダーとしてのあなたを強くしてくれるソウルメイトがいるかもしれないのに、どうして浅はかな遊びに時間を浪費するの?」

「そのためにリアムがいる...

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