第205話

ローガン視点

リアムはすべてを洗いざらい話してくれた。ダリアの過去の全貌、そして彼女がなぜこれほどまでに「つがい」の絆に対して警戒心を抱いているのか、その理由も。

父親が彼女に新たなチャンスを考えさせるためにどれほど尽力したか、そして俺たちが強引に迫れば、彼女がいとも簡単に心を閉ざしてしまう恐れがあることも説明された。話を聞いている間、俺の感情は激しく揺れ動いた。彼女の喪失、母親の死、そして父親に情緒的な距離を置かれ、たった一人で痛みを抱え込むしかなかった孤独を思うと、胸が張り裂けそうだった。

同時に、アルファ・ブラックウェルが彼女に「マーキング(刻印)」をしていなかったことに、安堵せず...

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