第213話

ダリア視点

闇が私を包み込み、丸ごと飲み込んでいく。そこには何もなかった――感覚もなく、重さもなく、ただ果てしない虚無の中をあてもなく漂っていた。

「ブルー?」

私は彼女に手を伸ばしたが、返ってきたのは沈黙だけで、不安の波が押し寄せてきた。

彼女の気配を感じ取ることができない。どうしてここにいるのか思い出そうとすると、パニックが燃え上がった。だが、頭の中は混乱し、壊れたテレビ画面の砂嵐のようにぼやけていた。

「ブルー!」

私はもう一度叫んだ。今度はもっと大きな声で。必死さが声に滲み出ていた。

重くのしかかる恐怖が増していく。どんな時でも、たとえ最悪の瞬間でさえ、心の奥底にブルーを...

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