第214話

ローガン視点

「その窮屈そうな服を脱がせてやれ。彼女の着替えと冷たいタオルを持ってくる」

医者が出ていくやいなや、リアムが指示した。俺はただその場に立ち尽くし、凍りついたように動けなかった。彼は自分の作業に取り掛かろうと背を向けたが、俺が動かないことに気づき、急に立ち止まった。

「ローガン! 一体何をしてるんだ、突っ立ってないで動け!」

苛立ちを滲ませた声で彼が怒鳴る。その態度は完全に『アルファ・モード』に入っており、威圧的で有無を言わせぬ迫力があった。躊躇することなど許されない雰囲気だ。

「俺は……彼女は、俺に触られたくないはずだ、リアム」

感情を必死に抑え込みながら、俺は絞り出...

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