第219話

ローガン視点

いつものことだが、一番必要な時に限って言葉が出てこない。そして、目の前に立っているこの女性ほど、俺にとって重要な存在は他になかった。だから、俺にできる唯一のこと――心からの思いを口にし、それで十分であることを祈るしかなかった。確信はなかったが、やってみるしかなかったんだ。

彼女の言う通りだ。「つがい」の絆が魔法のように人を変えるわけじゃない。だが、これまでの俺は、これからなりたい俺とは違うということを、どうしても彼女に分かってほしかった。俺は彼女にふさわしい男、彼女が報われるような男になりたい。そのためなら戦う覚悟も、死ぬ気で努力する覚悟もできていた。だから、彼女が約束してい...

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