第224話

リアム視点

「あいつ、何て言ったんだ?」俺は兄弟に尋ねた。まだ状況が飲み込めていない。

数分前に目が覚めたばかりで、頭はまだぼんやりしていた。リアがいないことに気づいた瞬間、パニックに襲われ、思考が追いつく前にローガンを揺り起こしていたのだ。俺自身の意識ははっきりしていなくても、俺の中の『狼』は違った。あいつが部屋を出てからしばらく経っていると――シーツに残った香りが薄くなるほどの時間が経過していると、狼が告げていたのだ。

「何て言ったかさっぱりだな。だが、聞こえないように言ったのが狙いだろうよ」ローガンはそっけなく答えた。

そんなことはどうでもいい。あいつがどこに行っていたかは痛いほ...

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