第260話

リアム視点

ここ数日間の大切な思い出の温もりに浸った後、俺は予定していた打ち合わせへと向かった。

ロリアンは幼馴染で、今は兄たちと共に、父の建築事務所で働いている。俺たちの家族は何世代にもわたって協力し合ってきた。俺の父さんたちがパックのアルファになって以来、手掛けてきたすべての建設プロジェクトはケスラー家に任せているのだ。だが、今日のロリアンとの打ち合わせは個人的なものだ。俺は本題に入るのが待ちきれなかった。

俺が到着すると、彼はすでに受付で待っていた。

「リアム・アシュフォード!」彼はそう叫ぶと、俺を軽く抱き寄せた。「久しぶりだな。去年のパックハウスの改装以来か? 元気にしてたか?...

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