第292話

リアム視点

二時間が経過し、ようやく俺たちは部屋のぬくもりから這い出した。もう一度シャワーを浴び、ローガンとのリンクを確実に切断する。少なくとも、身体だけは綺麗になったわけだ。

ローガンがあの車の中の惨状をどう始末するのか見当もつかないが、彼ならなんとかするだろう。

リアはセロンの様子を見るために診療所へ向かおうとしていた。俺たちが働いている間、彼の手助けができればと考えているようだ。一日くらいゆっくり休めと言ったのだが、彼女は忙しくしている方がいいと譲らなかった。オフィスへ向かう道すがら、俺は彼女の指に自分の指を絡ませた。人前で手を繋ぐという単純な行為が、俺の中に満足感を湧き上がらせる...

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