第293話

ダリア視点

リアムをオフィスのドアの前に残し、私は診療所へと足を向けた。足取りには、ここ長いこと感じたことのない軽やかさがあった。これほど短い期間でこれほど多くのことが変わるなんて、不思議なものだ。たった数日で、想像以上の変化が訪れていた。

「リア……あ、いえ、ルナ!」

急いで駆け寄ってきたトリが声を上げた。彼女の興奮は隠しきれていない。私は呆れて目を回し、思わず笑ってしまった。

「お願いだから、ただのリアでいいわよ。私は仕事をしに来たの。今までと同じようにね」

そう言って、私は彼女を軽く抱きしめた。

「本当? それは最高です! エッジウォーター先生も大喜びしますよ! 今日は目が回...

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