第303話

ダリア視点

六時間後、私はダイニングテーブルに突っ伏していた。頭を起こしているのがやっとで、フォークを持ち上げる気力すらない。メイティングとルナ就任の儀式の準備がこれほど体力を削るものだとは、想像もしていなかった。私が儀式の開催に同意したと伝えた瞬間、リリスの顔は喜びで輝かんばかりだった。彼女は時間を無駄にすることなく、自身のアイデアを次々と披露し始めた――明らかに、息子たちがルナを迎えるこの日をずっと待ちわびていたのだ。

リリスは屋敷の敷地をくまなく歩き回り、あらゆる場所の長所と短所を比較検討した上で、儀式と披露宴に最適なスポットを決めると言い張った。狼にとって「番(つがい)の儀式」は人...

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