第328話

リアム視点

オフィスに座り、俺は目の前の何もない壁をじっと見つめていた。何か生産的なことをしようとしても、何ひとつ手につかない。一ヶ月――彼女を最後にこの腕に抱いてから、もう一ヶ月が経ってしまった。柔らかい金色の巻き毛に顔をうずめ、あの陶酔させるような香りを吸い込んだあの日から。俺の名前を喘ぎながら、俺の下で乱れていく彼女を見つめ、我を忘れて愛し合ったあの日から。その記憶が鳩尾を殴られたような衝撃となって蘇り、俺はうめき声を上げ、胸を締め付ける不在の痛みに耐えた。

最初のうちは、絶望に崩れ落ちそうになる衝動と戦っていた。無力感に飲み込まれることを拒んだのだ。俺はアルファだ――修復し、導き、...

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