第349話

ダリア視点

指先が、第二の皮膚のように体に吸い付く深いフォレストグリーンのシルクの上を滑る。全身鏡の中の見知らぬ人物から目が離せない。これが私だなんて信じられない。鏡に映る女性は大胆で、輝いていて、どこか近寄りがたいほどの気品を漂わせている。かつての私なら決して望むことさえしなかった自信に満ちあふれていた。

ドレスは私の体の曲線を完璧になぞり、まるでこの体のためにあつらえられたかのようにフィットしている。体を少しひねり、背中の曲線に沿って露わになった白い肌を見つめる。サテンの生地が腰のくぼみのすぐ下で柔らかな波を描いていた。無防備でありながら、息をのむほど美しい――そんな相反する感情が同時...

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