第351話

ダリア視点

アルファのケイデンとケイレブ、そしてルナのリリスが前へと進み出た。ルナの称号を私に譲り渡す準備が整ったのだ。長老ペレグリンが儀式用の器を捧げ持ち、双子の父親たちが宝石の散りばめられた短剣を運んでくる。その見事な刃には、ダイヤモンドで飾られた月の下、遠吠えをする銀の狼の紋章が刻まれていた。

彼は伴侶の手のひらに浅く切り込みを入れると、その手を優しく導き、器へと血を滴らせた。そして、その刃を私の番(つがい)たちへと差し出した。

ローガンの瞳に痛みと後悔の色が揺らめき、すぐにリアムの目にも同じ色が浮かんだ。私を傷つけることに心を痛めながらも、二人は共に短剣を手に取り、私の方へと歩み...

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