第355話

ダリア視点

リアムが歌えることは、もう知っていた。数ヶ月前のあの忘れられないカラオケの夜、彼の歌声は強烈な印象を残していったからだ。でも、ローガンは? 彼が歌うなんて聞いたこともなかった。とはいえ、彼らは双子なのだから、それも納得がいく。だが、何よりも私を驚かせたのは、私が彼らにとってどれほど大切な存在であるかを伝えるためだけに、二人が注いでくれた純粋な努力だった。彼らはいつだって、私を驚かせてばかりだ。心のこもったサプライズを計画し、あの歌の一語一句を誠心誠意歌い上げてくれたという事実が、その行いをより一層深いものにしていた。

ニコライの発表に群衆から歓声が沸き起こり、私は頬がカッと熱く...

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