第358話

ローガン視点

俺はワークアウトに没頭し、リズムと筋肉が焼きつくような感覚に意識を委ねていた。その時だ。突然、ファングが俺の頭の中でうろうろと歩き回り始めた――苛立ち、落ち着きをなくしている。

『何かがおかしい』

「おいファング、どうした?」胸に不安が走るのを感じながら、俺は尋ねた。

「番(つがい)だ――彼女が動揺している。何かがおかしい。今すぐ彼女を見つけるんだ、急げ!」切迫した唸り声が響く。

それだけで十分だった。ファングが感じた瞬間、俺もそれを感じ取った。リアにマーキングして以来、俺たちの絆は恐ろしいほど深まっていた。彼女の本能、感情――すべてが俺たちの中に流れ込んでくる。ファン...

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