第36話

バスターミナルに到着するまで、シルバーはずっと沈黙を守っていた。私は明るく照らされた電光掲示板を見つめながら、頭の中で時間と日付を目まぐるしく追いかけていた。係員のところへ歩いて行き、鞄から紙幣を数枚取り出す際、視線はどうしてもターミナル中に設置された無数の監視カメラに向いてしまう。猜疑心と恐怖に駆られた、馬鹿げた考えだとは分かっている。もし彼らに見つかったらどうなる? ローレンとダレンは役立たずだが、私を探すためなら労力を惜しまないだろう。だが、私が本当に恐れているのはセバスチャンだ。あのパリッとしたスーツと大きな屋敷からして、彼が裕福なのは明らかだった。セバスチャンは私を見つけるために、手...

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