第362話

ロウェナ視点

「あああああ!」

私は惨めな独房の中を猛然と行ったり来たりしながら、金切り声を上げた。もっとも、遠くまで行けるわけではない。どちらの方向へ進んでも、たった三歩で冷たい石壁か錆びついた鉄格子にぶつかってしまう。

それに、私の叫びになど誰も耳を貸そうとはしなかった。

近くに番兵がいることは分かっていた。淀んだ強い体臭が漂っていたからだ。だが、彼は決して私の視界に入る場所までは近づいてこない。もし腕の届く距離まで誘き寄せられれば、いずれ手玉に取ってやることもできるのに……。しかし、そんな機会すら与えられなかった。一日に一度、台所の薄汚い老婆が運んでくる粗末な食事と水のトレーだけ...

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