第73話

さきほど味わった強烈な絶頂が信じられないほど素晴らしいものだったと思っていたけれど、それはまだ序の口に過ぎなかった。イーサンの口からその言葉を聞き、彼が先にそれを口にしてくれたという事実を知ったことで、私の中で全てが確信へと変わった。今ならわかる。名前のつけられなかったあの感情――これまで一度も自分自身で経験したことのなかったあの想いが何だったのか。

それは愛だった。

愛とは温かいものだ。けれど、欲望や情欲のように火傷するほど熱いものではない。それは温もりと安らぎが一つに包まれ、そこに庇護欲が加わり、絶対的な畏敬の念で巻かれたようなものだ。

愛とは始まりも終わりもなく、人がどれだけ深く感...

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