第181章

高橋隆司は部屋の中からニュース放送の声が聞こえてくるのを感じ、目の前の江口美咲もそのニュースを知っているだろうと思った。彼女の表情を見つめたが、少しの動揺も見られなかった。

しばらくして、彼は重々しく口を開いた。「星ちゃんに会いに来たんだ。様子はどうだ?」

江口美咲は体を横に動かして道を開けた。「二階にいるわ。ちょうどいいわ、星ちゃんのことで話があるの」

二人は前後して居間に入り、高橋隆司がソファに座ると、江口美咲は距離を置くように隣の一人掛けソファに腰を下ろした。

田中さんはすぐに二人にお茶を出し、二人が話したそうな様子を見て、すぐに下がった。

「何の話だ?」高橋隆司は江口美咲の...

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