第192章

江口美咲はお粥を飲み終えると、高橋隆司は無言で彼女のベッドを調整し、茶碗を外に運んだ後、また戻ってきた。

二人は黙ったまま向かい合っていた。

江口美咲は一日中眠っていたせいで、少し眠れなくなっていたが、それでも目を閉じたまま、高橋隆司との会話を避けようとしていた。

一方、高橋隆司は一日中忙しく動き回り、確かに疲れていた。座り直すと、目を閉じて浅い眠りに落ちた。

静かな病室に、整った呼吸音が響き始めた。

江口美咲はゆっくりと目を開け、高橋隆司の方向に視線を向けた。

高橋隆司のジャケットが自分の掛け布団の上に掛けられており、彼自身は薄手のシャツ一枚だけを着て、腕を胸の前で組んでいた。...

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