第85章

翌朝早く、藤原花子が朝食を食べていると、ボディーガードから電話がかかってきた。

「お嬢さん、調査結果ですが、高橋社長は昨夜、星お嬢さんを連れて江口という女性を訪ねました。そこで約三時間滞在してから戻られたようです……」

ボディーガードの言葉が終わらないうちに、電話からは切れた後の音だけが聞こえてきた。

江口という女性、江口美咲!

藤原花子の顔色が酷く悪くなり、頭の中には高橋隆司と江口美咲が一緒にいる様々な場面が浮かんできた。

三時間以上も、何をしていたの?しかも星ちゃんまで連れて!

藤原花子は怒りに任せて立ち上がり、手にしていた携帯電話を投げつけた。目には狂気じみた光が宿っていた...

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