第4章

 彼の熱い吐息が、私をドロドロに溶かしてしまいそうだった。

 目を閉じると、鼓膜が痺れるほど激しい自分の心音が響いてくる。

 彼が私の中へと入ろうとしたその瞬間――突如として、ドアがぶっ壊れるほどの勢いで叩かれた。

 一瞬で現実に引き戻された私は、本能的にシーツを引き寄せた。マーカスはベッドから跳ね起き、バスタオルを腰に巻きつけると、険しい表情を浮かべた。

「誰だ! 今日が何の日か分かってねぇのか!」

 ドアの向こうから切羽詰まった声が響く。

「ボス、セリーナさんが誘拐されました! 犯人から書き置きが!」

 一秒ほど呆然とした後、怒りが一気に頭のてっぺんまで突き抜けた。

 マ...

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