第5章

 私はもう喫茶店のドアに向かっていた。「火事の現場に物資を届けないと」

 「どうやって?」亮介が後を追ってきた。「俺の車、まだ壊れたままなんだぞ、覚えてるか?」

 「そのことは心配しないで」私は店の鍵を開けた。

 亮介は何も言わずに私を見た。「どんな物資を?」

 「コーヒー、食料、毛布。消防活動は体力を消耗する仕事よ。それに、長い夜になるだろうから」

 私は喫茶店の鍵を開け、照明をつけた。長谷川おばさんがすべてを綺麗に整頓してくれていたおかげで、作業が楽になりそうだ。

 「棚からその魔法瓶を取ってくれる?」私は業務用のコーヒーメーカーのスイッチを入れながら声をかけた。「私はサンドイ...

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