第4章

 昨夜のアトリエでの四時間に及ぶ地獄の特訓で、指はまだ痛む。でも不思議と、いつものような絶望感はなかった。

 胸の中に、先輩がいてくれたから。

 終業のチャイムが鳴り、私は機械的に鞄に荷物を詰めた。クラスメイトたちが一人、また一人と教室を出ていく中、私は席で身じろぎもせずに座っていた。

 お父さんの命令が耳の奥で響いていた。「学校が終わったらまっすぐ家に帰ってこい。一分でも寄り道するんじゃない」

 でも、屋上では先輩が私を待っている。約束があったのだ。

 腕時計に目を落とす。午後四時十五分。いつもなら四時十六分に学校を出て、徒歩十十五分で家に着く。今から先輩に会いに行けば、たとえ十...

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