第6章

 カメラが砕け散った音の残響が、まだ宴会場を震わせていた。

 濱野和久の視線がリリを射抜く。

「答えろ。あの情報をマスコミに売ったのは誰だ?」

 親族の集まりにいた客たちは、確かに古見優希が誘拐されたことは知っている。だが、詳細をすべて把握しているのはリリだけだ――なぜならあの誘拐劇は、そもそも彼女のために仕組まれたものだったのだから。

 リリは顔面蒼白になり、首を振る。

「本当に知らないの……記者の人たちが自分で調べたんじゃないかしら? 私も止めようとしたのよ、でも彼ら、全然聞く耳を持ってくれなくて……」

「いい加減になさい!」

 濱野奥様がリリを庇うように立ちはだかり、和久...

ログインして続きを読む