第8章

 濱野和久は別邸ですべての証拠に目を通し終えると、アシスタントに電話をかけた。

「リリを連れてこい」

 一時間後、ボディーガードに両脇を固められ、リリが引きずり込まれてきた。化粧は崩れ、無惨な姿だった。

「和久、お願い、話を聞いて……」

 彼はリリを一瞥もしないまま、ボディーガードに命じた。

「彼女のついた嘘をすべて洗いざらいまとめろ――偽装妊娠、恩人のなりすまし、狂言自殺――すべてマスコミに流せ」

 リリの顔から血の気が引いた。

「パパがあなたを許さないわ……」

「父親だと?」

 濱野和久は冷ややかに笑った。

「奴はいま古見優希を守るのに必死だ。お前のことなど……もう見...

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