第9章

薄茶色の作業服のざらついた感触が肌を擦る。その繊維の一本一本が、今の俺の姿を――犯罪者に成り下がったという事実を突きつけてくるようだった。地方拘置所の面会室は、消毒液と「絶望」という名の悪臭が入り混じった匂いが充満している。俺は冷たい金属製の椅子に座り、手錠をかけられたまま、透明な仕切り越しに彼女の到着を待っていた。

一週間。真琴に会わず、彼女の声を聞かず、俺の魂の奥底まで見透かすようなあの瞳を見ることなく過ごした一週間だ。弁護士は、彼女が面会に同意したと言っていた。

ドアが開いた。

その姿を見た瞬間、俺の心臓は止まりそうになった。真琴は一週間前よりも痩せて見えた。頬はこけ、肌...

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