第10章 お前の作ったものは、犬に食わせるのがお似合いだ

夜八時。鷹司京介が病室のドアを押し開けた。背後には篠原茉優が付き従っている。

茉優の手には果物籠。顔には程よい心配の笑みを貼り付けながら、ベッドの上で青白く横たわる北条千雪に視線を落とすと、その瞳の奥で一瞬だけ、愉悦の光が弾けた。

「千雪。病院にいるって聞いたの。京介と一緒に、お見舞いに来たよ」

鷹司京介は千雪の弱りきった様子を見下ろし、眉を寄せる。

「黙ってんじゃねえ。踊れなくなったなら、口くらい利け」

声は氷みたいに冷たく、目にも感情の色はない。

茉優が隣で、わざとらしくため息を落とす。

「千雪もほんと……。お姉ちゃんが昔、腰を悪くして踊れなくなったの知ってるでしょ? なの...

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