第124章 彼女はただの役立たず

篠原茉優はとっくに到着していた。病室の外から、そこで起きている一部始終を見ていたのだ。わざと入って止めもしない。鷹司京介が北条千雪を徹底的に叩きのめしたあとで、ようやく駆け込んで「いい人」を演じるために。

「えっ……なにがあったの? 京介、また千雪をいじめたの?」

篠原茉優は慌てて前に出て、ボディガードを押しのけるようにして北条千雪を支え、病床へ戻した。

「怪我人に、どうしてこんなことするの……千雪、大丈夫?」

北条千雪は、その白々しい優しさを受け取らなかった。茉優の肩を乱暴に押しのける。

「っ……!」

篠原茉優がよろめいて倒れかけた瞬間、鷹司京介がさっと腕を伸ばし、抱き留めた。...

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