第125章 狂ったように追いかける

北条千雪は、ようやく息をついた。けれど胸の奥では、細かな痛みがまた密集して広がっていく。

掌に残る火傷の赤い痕を見下ろす。そこがひりつく程度の痛みなんて、心の痛みに比べれば羽が触れたみたいに軽かった。

祖母が遺した手紙は灰になり、腕時計は窓の外へ投げ捨てられた。幾つもの暗い夜を耐え抜く支えだったものは、すべて鷹司京介の手で握り潰されたのだ。

千雪はベッドに身を戻し、天井を見つめた。視界が、じわりと滲んでいく。

看護師がその死んだような顔を見て、思わずため息をこぼす。

「北条さん、何か食べたいものとか飲みたいものとか……連絡したい人がいたら、遠慮なく言ってくださいね」

北条千雪は虚...

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