第13章 これは彼女の初夜

鷹司京介は、彼女の白い太腿を掴んだまま――ふっと手が止まった。

硬い。冷たい。体温というものが、ほとんど感じられない。

身の下の女を見下ろす。

乱れた髪。目尻に残る涙の筋。口元の血が、青紫の痕だらけの肌をつたって落ちていく。

その瞳の底に沈む絶望と死んだような静けさが、刃物みたいに不意打ちで胸を抉った。

外ではドアを叩く音が、だんだん荒くなる。呼び声も、はっきり聞こえた。

鷹司京介の喉仏がごくりと動く。

どうしていいか分からない――そんな、みっともない感覚。掴んでいた手を離すと、さっきまでの狂気じみた殺気は、穴の開いた風船みたいにしゅうっと萎んだ。

「……出てけ」

吐き捨て...

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