第132章 悪事を働く者はいつも後ろめたい

篠原茉優はこの数日、隙を見ては病院へ足を運んでいた。だが、手を下す機会は一度も訪れない。

介助員が片時も離れない。ようやく席を外させても、今度は医師や看護師が頻繁に回診に来る。ときには鷹司京介のボディガードまで巡回していて、茉優は仕方なくその考えを引っ込めた。

茉優にとって北条千雪など、蟻みたいなものだ。潰すのは容易い。ただ――やり方さえ間違えなければ。

日が経つにつれ、北条千雪の身体は少しずつ回復していった。目を覚ましても、もう虚ろに天井を見つめるだけではない。窓の外をじっと見て、何かを探すような仕草をする。

介助員はしょっちゅう、彼女の独り言を耳にした。ときどき、窓に向かって手を...

ログインして続きを読む