第133章 これはおもちゃで大きくなれない

病室が静まり返ると、北条千雪はまた窓のほうへ視線を向け、頬に甘い笑みを浮かべた。

「大丈夫だよ。私ならちゃんとできる。おばあちゃんの小さな知恵袋だもん」

「おばあちゃん、今日は何が食べたい?」

「肉団子? うん、いいよ。おばあちゃんの言うとおりにする」

北条千雪は問いかけては答え、まるで本当に誰かが傍にいるみたいだった。

しばらくして、介護スタッフが可愛らしいぬいぐるみを抱えて入ってくる。北条克己が手配して届けさせたもので、北条千雪が幼い頃いちばん気に入っていた犬の玩具だという。

それを目にした瞬間、千雪の瞳がぱっと輝いた。

スタッフが口を開くより早く、千雪は両腕を広げて笑う。...

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