第150章 神経性過食症

伊藤おばあさんは困ったように笑って言った。

「千雪ちゃん、ちょっと来て。おばあちゃんの上着、脱がせてくれる?」

北条千雪は手早く上着を脱がせると、寒くないようにと肩へそっと掛け直し、両肩をやさしく支えた。

椎名辰木は、その仕草に滲む自然な優しさを見て思う。

――この子が、義兄さんを誘惑するような真似をするはずがない。

北条千雪が変わるとは思えない。そこにはきっと、何か理由がある。

伊藤おばあさんの血圧はまだ少し高めだった。続いて伊藤おじいさんを測ると、さらに数値が悪い。北条千雪は一気に顔色を変えた。

「どうしてお二人とも、こんなに血圧が高いの……危ないよ」

椎名辰木が肩をすく...

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