第22章 浅倉昭彦は高嶺の花

鷹司京介は病室の扉の前に立ち、ベッドの上の人間へ視線を縫い付けていた。眼底で煮えたぎる怒りは、北条千雪ひとり焼き殺すには充分すぎる。

鷹司家の総力を動かし、この街を裏返すように掘り返した。昨日、自分の足で雑木林まで行き、居場所を追って、病院にいると突き止めた――その時からずっと、胸の内がざわついて仕方がない。

死んだと思った。……なのに。

今は別の男と、楽しげに話している。

その笑顔が、ひどく癪に障った。

どうして笑える。

お前に、笑う資格があるのか。

鷹司京介は拳を握り締め、ギリ、と骨が鳴るほど力を込める。次の瞬間、脚を振り上げ――容赦なく病室の扉を蹴り飛ばした。

バンッ!...

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