第24章 彼女はこの世に生きるべきではない

北条千雪は自分のデスクに戻ると、コンペの募集要項を細かく読み直した。そこへ同僚が来て、副社長が呼んでいると告げる。ここ二日出社していなかったのだ。きっと処分の話だろう――そう思った。

ノックして副社長室に入る。鷹司恭一の執務室は木下香織の部屋よりずっと広く、壁一面の書棚には本が隙間なく並んでいた。

姉も、本が好きだった。

けれど、自分は違う。

子どもの頃からやんちゃで、塀を乗り越えて学校をさぼったことだってある。誰からも「手のかかる子」と言われるような、そんな子だった。

姉は素直で聞き分けがよく、聡明で、家族に心配ひとつかけなかった。読んだ本を積み上げれば、部屋いっぱいになるほどだ...

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