第28章 果てしない暗夜が彼女を呑み込む

北条千雪は箸を取り、どうにか喉を通りそうなものを探した。無理やり一口だけ口に運ぶ。焼けつくような熱さが喉の奥まで一直線に落ちてきて、咳き込みそうになるのを堪え、顔をそむけた。

その瞬間、目の前に伸びてきた大きな手が、彼女の椀をひったくり――床へ叩きつけた。

――バンッ!

鈍い破裂音が店内を貫き、全員の視線がいっせいにこちらへ向く。

続いて鷹司京介が、目の前のスープをそのままひっくり返した。熱い汁が、北条千雪の身体に容赦なく浴びせかけられる。

「調子に乗るな。食わねぇなら出てけ!」

熱さに反射で立ち上がった北条千雪へ、篠原茉優が慌てて紙ナプキンを引っつかみ、濡れた服を拭こうとする。...

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