第59章 なぜまだ彼女が嫌いになれないのか

親族の集まり。

――鷹司家の人間が、ほぼ全員出席するってことだ。

それなら、鷹司恭一もいる。

北条千雪は、鷹司京介が自分を連れてきた目的をもう察していた。

歴史は驚くほどよく似ている。違うのは、標的が入れ替わっただけ。

鷹司京介が背後へ回り、熱を含んだ吐息が耳たぶをかすめる。

「行け。何ぼうっとしてる」

気遣いなんかじゃない。狩りが始まる合図だ。

千雪の歩みが遅いと見るや、京介は彼女の腕を強引に取って組ませた。

支えが増えたはずなのに楽にはならない。京介の歩幅が速すぎて、千雪は半身を預けるように彼の腕へぶら下がる。

京介は何事もない顔で人の波を縫っていく。腕に人が掛かって...

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