第63章 初めて鷹司京介も愚かだと感じた

看護師が彼女のためにコップへ水を注ぎ、その手のひらにそっと置いた。

「北条さん、先に少しお水を飲みましょう」

北条千雪はコップを握りしめたまま、指先まで震えていた。荒れた感情は、いつまで経っても収まらない。

その様子が痛ましくて、看護師は医師から言われていたことを伝える。

「北条さん、お医者さまが……肺に少し問題があるかもしれないから、もう一度検査しましょうって。それと、昨日は幻覚も出ていましたよね。あれは心理カウンセリングが必要です」

肺に問題。

幻覚。

カウンセリングなんて、いらない。むしろこのままでいい。

そうしていれば、私はお姉ちゃんに会えるから。

もし本当に身体が...

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