第72章 彼女を魔窟に放り込む

鷹司京介は、篠原茉優の顔色が真っ白になり、今にも意識を失いそうなのを見た瞬間、ほとんど迷うことなく駆け出した。

そして北条千雪の腹へ、容赦なく一撃を叩き込む。

「……正気か。殺す気だったのか」

蹴り飛ばされても、北条千雪は痛みなど感じていないみたいだった。

京介が茉優を抱き起こしたのを見るや、また飛びかかる。まるで呪いにでも囚われたように、恐怖というものが抜け落ちている。ただ、茉優を殺したい――それだけ。

「殺す……殺してやる……!」

鷹司京介が手を上げた。

「押さえろ」

まさか、北条千雪の嫉妬がここまで重いとは思わなかった。

本気で、篠原茉優を殺そうとしている。

吉村毅...

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