第96章 再び二者択一

海域まで逃げ込めば北条千雪を連れ去れる――そう思ったのなら、甘すぎる。

鷹司京介は今回こそ、力の差というものを思い知らせてやるつもりだった。

「通達しろ。ヘリを回せ。スナイパーを手配しろ。ボートをすべて出せ。いくらかかろうが構わない。今日こそ、あいつを消す」

吉村毅は一秒も無駄にできず、即座に人員を動かした。信号源を追わせ、鷹司京介の指示どおりに布陣を敷く。狙いはただ一つ――高坂隼人の確実な排除。

位置が割れた瞬間、鷹司京介は部下を率いて海辺へ向かった。ヘリの爆音が空を裂き、ボートが海面に白い航跡を幾筋も刻む。

鷹司京介はヘリの座席で、前方の一隻を冷えた眼で射抜いていた。北条千雪の...

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