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私は足を止め、くるりとウェイクの方を向いた。

「おばあちゃんが何を調べているにせよ、それにはちゃんとした理由があるはずよ」私はきっぱりと言った。内心の不安を悟られないよう、あえて自信たっぷりに。「彼女はこの件に関わる悪人なんかじゃないわ」

ウェイクの視線は揺るがず、その表情は石像のように硬い。「俺もそう願っていた」低く、抑制の効いた声で彼は答える。「だが、真実を掘り起こせば掘り起こすほど、アンソゾアの動機が分からなくなる。彼女はあまりにも長い間、同胞やその血脈から切り離されていた。彼女の忠誠心がどこにあるのか、知る由もない」

私は瞬きをした。あまりに率直な物言いに言葉を失う。「彼女の忠誠...

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