CH120

夢にしては、あまりにも鮮明すぎる。

私は大広間の中央に立っている。天井は遥か頭上にそびえ、青と緑が渦巻く精緻なモザイク画で飾られている。それはまるで海そのものが動いているかのようだ。

巨大な円柱が広間を取り囲み、その一本一本にエンキ族の姿が生き生きと刻まれている。顔立ちは威厳に満ち、その姿は人間でありながら、どこかこの世ならざる雰囲気を纏っている。長い鰭(ひれ)が腕から流れるように伸びている者もいれば、溶けた黄金のように輝く鱗を持つ者もいる。

下半身が完全にタコのような姿をした者も見える。その触手は優雅に円柱の基部に巻き付いている。

私は彼らを知っている。

広間の中央には一段高くなっ...

ログインして続きを読む