第129章

コラが手招きすると、ケイルが大股で私たちの方へ歩いてくる。

近くで見ると、彼はさらに巨大だった。鋼のような筋肉の壁とでも言うべき体躯で、獲物を狙う捕食者を思わせる、力を溜め込んだ慎重な足取りだ。セルリアンブルーのメッシュが入った黒髪が光を捉え、その射るような緑の瞳がウェイクを捉える。その強烈な視線に、私は不安を覚えた。

「フィービー、ウェイク」コラは明るく、しかし毅然とした口調で言った。「こちらはケイル。私の副官であり、ユークリッド部族の代表よ。他のクルーにも、そのうち会えるわ」

ケイルは私に短く頷いたが、視線がウェイクに移ると顎にぐっと力が入った。

コラが続ける。「ユークリッド族は、...

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