第173章

「ここから二度と出られないなんて、絶対に認めない」コラが鋭く、譲らない口調で言う。「狂ってるわ。私たちは誠意を持ってアオに来たのよ」

謎めいた女の笑い声が、窓際に立つ彼女の元から響き渡る。藍色の髪が肩の周りで乱れ、水中で漂っている。その笑いは苦々しく、絶望に満ちており、どこか常軌を逸した鋭さが混じっていた。

遠くに見えるコロシアムを凝視したまま、女は嘲るように言い放つ。「アオに善意などない。そして誠意など尚更だ。『暁の王』がそう仕向けたのだから」

コラの表情が曇り、両手が力なく脇に落ちたかと思うと、拳が固く握りしめられる。「さっきから謎かけばかりね」彼女は声を荒らげた。「一体何が言いたい...

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