チャプター 182

警備兵が無愛想にノックし、頭が覗ける程度にドアがきしんだ音を立てて開く。彼は何も言わず、ただついて来いと手ぶりで示した。コーラが私に鋭い視線を向ける。「油断しないで」と言わんばかりの目だ。私は頷いて立ち上がり、絹のドレスを撫でつけた。まるで、出場に同意した覚えのない美人コンテストに向けて準備しているような気分だ。

宮殿の中を進む道のりは果てしなく感じられた。警備兵は、壁に埋め込まれた生体発光の照明が照らす、暗い石造りの曲がりくねった回廊へと私を導く。壁は微かに脈動しているようで、石の奥深くに埋まった鉱物の鉱脈に光が反射している。

海の重圧がのしかかり、その広大さに息が詰まるようだ。まるで宮...

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