チャプター 195

ヒドラの怒号が闘技場に響き渡り、水そのものを震わせ、戦士たちの骨の髄まで揺さぶるようだ。ケイルはよろめき後退し、ヒドラの牙から受けた肩の傷を強く押さえている。そこからは猛毒の体液が滲み出していた。彼の背後には血の跡が長く伸び、不吉な暗雲のように水中に渦を巻きながら広がっていく。それはまるで、彼をあざ笑うかのような光景だった。

私は座席の石の縁を強く握りしめた。あまりの力に、石が砕けてしまうのではないかと思うほどだ。観衆は狂乱の渦と化し、歓声と息を呑む音が混じり合って判別不能な不協和音となっている。だが、私の目はケイルの頼りない姿と、彼を庇うように前に出たウェイクの姿に釘付けだった。

闘技場...

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